↑一覧へ 次へ→

オホーツクつれづれ草

2016/03/29

27日、ふたつの謝罪があった
 横綱・白鵬と松野元維新の党代表


 27日、二つの「謝罪」があった。一つは大相撲春場所で優勝した横綱・白鵬。優勝がかかる日馬富士との一番で、白鵬が変化し、日馬富士が土俵を飛び出すあっけない結末。これに対し場内から大ブーイング。白鵬が涙ながらに取り口を謝罪した。
 もう一つは民進党の結党大会で、旧維新の党の松野頼久代表が、4年前民主党を離党しながら、今回出戻って*ッ進党に合流したことに「多くの皆さんに不快な思いをさせた」と謝罪した。
 白鵬が立ち合いに体をかわし変化したことに対し「横綱らしくない。千秋楽の大一番だから、堂々と受けて勝負すべき」と言うのが大方の批判。場内の半数以上のお客さんは、不満を晴らすように席を立った。優勝インタビューの最中にも場内から鋭い非難の声が飛び、白鵬は言葉をつまらせた。最後に「本当に申し訳ないと思います」と涙を流しながら謝った。
 優勝からは三場所遠ざかり、しかも史上最多更新の36度目の優勝がかかる。是が非でも手にしたかっただろう。初日に敗れ、以降の土俵は闘志を前面に出し、激しい相撲を展開した。時には審判団から注意をされるほど。その激しさは他の力士を圧倒していた。
 白鵬ほどの厳しい相撲を他のどの力士ができたか。相撲は確かに神聖な国技だが、激しい格闘技でもある。勝つことへの執念を最大限に発揮してこそ面白く、ファンはついてくる。変化するのも取り口のひとつ。ただぶつかり合うだけが能ではない。多彩な取り口に対応してこそ成績を残せる。白鵬に比べ、他の力士の不甲斐なさも目に付いた場所だった。白鵬よ、何も謝る必要はない。


民進党の結成と松野元代表

 松野氏の謝罪こそ見苦しい。民主党を離党した時は余程の覚悟と、信念があったはずだ。時を経て民進党結成までは、新しい党名への注文、政治姿勢などの違いに対する論議。それらを通して新しい政党の結成にこぎつけたはずだ。その冒頭に「わずか26人の弱小政党のくせに、失礼なことを申し上げ不快な思いをさせた。出戻りの批判で政党のイメージを壊さないよう、自分は役職を外していただき、ケジメをつけた」と謝罪した。
 何を血迷っているのか。民主党の一番苦境にある時に離党したのは、それなりの大望が有ったからだろう。野望が潰(つい)えて、足元が崩れ、行き着く所はかつて見限った民主党。祝うべき結党の時に、恥も外聞もない言い訳。そんなものはケジメにならない。元党首なら、もっと堂々とふるまい、新党の船出に大きな展望を語るべきだ。それはそれとして、民進党の正攻法の党運営には難問が山積する。