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北見赤十字病院の吉田茂夫院長とオホーツク圏域の今後の医療について、話をする機会があった。吉田院長は一昨年に赴任してきた方で、同病院を「オホーツク地域の中核病院に」と、意欲を持たれている医師である。「現在から近未来にかけて、医療環境には多くの課題があるけれど、今後の医療は一自治体が解決すべき問題ではなく、オホーツク圏をひとつとして、考えるべき」と語る▼「そのため、北見赤十字病院は圏域の中核病院としての位置づけがされている。この地域に住む人達が、安心して病院にかかれるよう、充実させてゆきます」と語る。さらに「地理的なハンディを克服するために、旭川、釧路に配属されるドクターヘリとの連携も考えます。それより、ドクター・カーを導入し、即初期治療、高速で病院への搬送を可能にするのも、この地域には適している」とも語る▼中・長期展望として「二次から三次医療の充実、高齢者、子供、母親に優しい近代的な医療を目指します。もちろん、オホーツク地域の皆様の病院として、職員も高い意識を持つようにします。紋別には空港もあるし、道路も整備されてきましたから、患者も移動し易いようになってきました。手を携えて、みんなで医療環境の改善に向かいましょう」と力強い▼北見赤十字病院の移転、改築問題は、先の北見市長選挙の争点にもなったが、まだ明確化されていない。しかし吉田院長は「どこに移転しようが、私達の医療にかける姿勢は不変。いかにして満足して戴ける医療を、オホーツク圏域の人達に提供するか、その一点です」と、明確に話してくれた。時代の環境を的確にとらえ、医師としての高い志を持たれた方である。私は吉田院長の姿勢に、深い感動さえ覚えた。