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デスク記事

2009/04/26

 こんな投書が寄せられた。「紋別市を中心に、今進めている公設公営病院について、先ず日本の医学界の現状をもっと正確に把握すべき。紋別地域の医療問題だけの視点からとらえると、計画倒れになる恐れがある。待遇だけでは医師は来ない。医師を招聘するには医学界の複雑な地図を理解し、対策を立てるべき。その基本的な事項について論議不足で、スタート時点で軌道から外れているのでは?」▼さらに「計画している18診療、220床確保、26人の医師体制だと、西紋地域の人口は少なすぎる。それなら空港を活用し、今後石油開発が続くサハリン住民も対象にした、国際的な病院にすることも考えてはどうか。地域的なハンディを活かしたビザなし医療特区≠ノし、オホーツクの中核病院の道もある。どのような医療を看板にするか、特色ある病院にすることも必要ではないか」と、提言もしている▼地域医療は、現在の日本の医療の崩壊と合わせ、総合的な視点で進めなければならない。地域要望と現実の間にある壁の厚さは、紋別地域に限った問題ではない。その中で何を我慢し、何を主体的に進めるか。それは現状の医師不足、医療現場を理解することから始まる。理想を追い求めた計画では地域エゴととらえられても仕方がない▼投書者の言いたいことは「現実を踏まえた、実現性のある、そして特色ある病院にしないと、医師の確保も病院経営も困難では…」と言うことだろう。そんなに大きくなくても、緊急性を要する循環器系、心疾患などを充実させ、遠軽厚生、北見赤十字、名寄市立各病院とのスピーディーな連携体制の強化も考えられる。市など関係者は何が何でも今の計画を≠ナはなく、柔軟な考え方で医療問題を考えて行くべきでないか。