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デスク記事

2008/06/26

 千葉県の銚子沖で、カツオ漁に出ていた漁船が転覆し、4人が死亡、13人が行方不明という惨事が発生した。救助された乗組員の話では、突然の10数メートルの三角波により、船は一瞬にして沈没したという▼周囲を海に囲まれている日本は水産国でもある。そして我が紋別市も、開基以来の水産都市である。過去から現在に至るまで、数多くの海難事故が起き、多くの尊い人命が失われた。沖合で、沿岸での漁船の転覆事故、衝突事故、操業中の海中転落、作業中の死亡、怪我など、紋別の輝かしい水産の歴史は、同時に悲しみの歴史でもある▼人類は既に食糧難の時代に入った。日本に居れば、そんな事は実感として伝わって来ないが、殆どの食材を輸入に頼っている日本にとって、食糧難時代が到来するのは目に見えている。すでに、今まで農・水産物を輸出していた国が、国内の「食」が確保できないために、輸出をストップした国も多い▼そんな時代に、人類にとって日本の海は水産タンパクの供給源として貴重である。中でも世界3大漁場であるオホーツク海は、人類が生命を保ち、育てるための宝石のような存在と言えよう。そんな時代環境の中で、オホーツク海の中心都市紋別市は、戦後の日本人の生命を水産物の供給で支えたように、今後の食糧難時代の貴重な都市として存在感を強くするであろう▼水産紋別の今後は、需要に応えられる資源をどう育てるか−が課題となるが、それに携わる水産関係者、とりわけ漁船乗組員の安全こそ最大の願いだ。海という、予想外の、突然に変化する場での操業には常に危険がつきまとう。今回の漁船転覆事故は決して対岸の火事≠ナはない。オホーツク海から悲劇が起きないよう、祈りたい。