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ミシガン州デトロイト市と言えばビッグ3を育てた自動車のマチとして世界に知れ渡っている。その近郊のウォーレン市のジム・フォーツ市長が、マイカーで法定速度を8キロ超えるスピード違反をした。少しの違反なので、警察官は「今回は注意だけ。チケットは切りません」と伝えた▼普通だったら「ハイ気をつけます」と、チケットを切られなかったことを喜ぶところだが、この市長さんはちょっと違っていた。自分の市長という立場に配慮して見逃してくれたと思い、市長に立候補した際の選挙公約市議会内でのえこひいきを根絶する≠ノ違反すると思った▼市長はその場から警察署に電話し「私の違反に正式にチケットを発行して欲しい」と申し入れた。警察としても、その申し出を拒否する理由は見あたらない。結局罰金100ドルと、反則点数2点を市長に言い渡した。フォーツ市長は過去に反則の履歴はなく、これが初めての違反だったという▼ウォーレン市は自動車関連産業で成り立っている市で、フォーツ市長は経営危機に陥っているビッグ3の支援を強く主張する人物。「アメリカ製品を購入し、国を大切に」と日頃から主張している。乗っていた車もアメリカ製と言うから、その信念にブレはない▼市長のとった行動を「立派」と解釈するか「もっと柔軟に対応しても…」と考えるかは別として、感心するのは、自分に対して少しの妥協も許さない自己管理能力だ。大抵なら自分は忙しい市長なのだから≠ニ、都合の良い理由をつけるだろう。しかし、公人だからこそ、自己に厳しい判断を下すことも大切だ。政治家の役得≠ェ当たり前のように散見される昨今、フォーツ市長の姿勢に見習うべき点は多いのではないだろうか。