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新型インフルエンザが神戸、大阪など近畿地方で広がり始めた。神戸祭りのパレードが中止になったり、各種催事の見直し、学校の臨時休校など、大都会での人の動きが止まり始めた。商店街では「人通りが少なくなった」と、お手上げの様子▼厚生労働省は、大阪府内に修学旅行をした北九州の中学生に登校しないよう呼びかけた。現段階で、大阪、神戸は危険な場所≠フレッテルが貼られているが、これが全国各都道府県に広がったらどうなるか。日本列島全域が沈黙を守ることになり、産業・経済がストップしかねない▼海外での感染者に止まらず国内発≠フ感染が広がっている状況では、今後、国内各地に飛び火する可能性は否定できない。従って、これからの課題は「日本の動きを止めてでも、感染速度を遅らせるのか。それとも新型インフルエンザと上手に付き合って行くべきか」であろう▼幸い、他のインフルエンザ等に比べ、現段階で毒性は弱いという。通常のインフルエンザの罹患者、死亡数に比べると、その数字はまだまだ小さい。もっと恐ろしい病気はまだまだ多く、新型≠ノあまり振り回されるのも如何なものか。経済不況が深刻化し、企業倒産の嵐は日本列島を吹きまくっているのだ▼「警戒と対策を怠らず、しかし落ち着いて」という行動こそ、今は必要なのではないか。この種の病気は今後も次々に出現するだろう。それらを生み出す様々なことを、人類は歴史的に行ってきたのだ▼新型インフルエンザは「点」に過ぎない。そこにだけ視線を向け「面」「立体」を見る心の余裕が失われている気がする。握手から、会話からも、スポーツの汗からも見えない敵は侵入してくる。うまく付き合いつつ、警戒を怠らないことが大切ではないか。