デスク記事
潮見小学校の校長室の応接テーブルに、2羽の鶴と1羽の兎(ウサギ)の折り紙が置かれている。昨年6月、1年生の女の子2人が校長室をノックした。「ハイ、これ」とニコニコしながら手渡してくれたのが折鶴。後日、やはり1年生の男の子が折り紙のウサギを手渡していった。齋藤校長は「子供達の心がこもっていますから…」と、以来、大事にテーブルに置いている。窓を開けると風で飛びそうになるので、セロテープで固定もした▼最近、その子たちが校長室にやってきて「あっ、まだ飾ってある」と喜んだという。齋藤校長は「この子たちが卒業するまで、置いておかなければ」と、嬉しそうに話す。来客の中には折り紙に気づく人も多く、そんな時は会話も自然に弾むそうだ▼潮見小学校の児童数は493人。教職員が一人一人の個性を尊重し、心をくみ取ろうとする教育姿勢が、飾ってある鶴と兎の折り紙に現れている。きっと紋別市の小・中学校全体の教育も、規模や地域性で各校の指針は異なっても、子供達の心を大切にすることでは、同じなのだろう▼齋藤校長は「PTAは良く協力してくれますし、活動も活発。総会など事業への参加はとても積極的です。潮小卒業の親も多く、中にはおじいちゃんの時代から3代というご家族もいらっしゃいます」と笑顔で話す。子供達が一生懸命折った鶴と兎から、教職員と子供達の豊かな心のつながりが感じられた。