←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2009/06/03

 小さな手から、大人へのメッセージが伝わってくるように思えた。30日の元紋別小学校の運動会に行ってきた。児童数4人。市内で最も少ない小学校だ。24日の予定が雨のため、この日に延期された。太陽が顔を出し、良いコンディションに恵まれたけれど、齋藤校長は「仕事の関係で、地域の人達の参加が少なくなりました。大人の皆さん楽しみにしていたんですが…」と残念そう▼大人の種目の「宝探し」は、カードに児童の名前が書いてあり、その子と手をつないでゴールする種目。参加者が少ないので私も飛び入りで加わった。グラウンドで走った遠い思い出が蘇ってくるようだった。カードの名前を呼ぶと、その子が笑顔で走ってきて、私と手を繋いで一緒にゴールに向かった▼小さな手。そこから温もりが伝わってくる。競技を説明する本部席のマイクからは「子供は世界の宝。さあ、一緒にゴールしましょう」という音声が流れる。この子達がこれまで育つ期間も色々な事があっただろうし、これから中学生になり、やがて大人になり…。もっともっと色々なことが起きるだろう▼地球環境の悪化、水、食糧危機がこれからの人類の課題。この子たちの未来は決してバラ色とは言えない。そんな中で、生きる喜びや苦しみを経ながら人生を力強く生きて行くのだろう。繋いだ子供の手から伝わってくる鼓動が、それらに逞(たくま)しく立ち向かう覚悟≠フようにも思えた▼私が戴いた景品は「塩分抜きのみそ汁パック」。血圧が気になる私に最適のものだった。さあ、大人が子供達にプレゼント出来る物とは何か。それは、子供達のこれからの道のりを、出来るだけ歩きやすくする事ではないだろうか。子供たちにとっての「宝」を一緒になって探したい。