←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2009/06/04

 ガリンコ号を使った海鳥調査が「もんべつかいはつくらぶ」=大館和広代表=らの手で行われた。一般市民を含めた参加者は「海鳥など、これ程多くの生き物の姿が見られるとは…」と、一様に驚きの声をあげた。悠然と泳ぐクジラも間近に見ることができ「海は生きている」ことを実感した▼クジラウオッチングで有名な小笠原諸島でも、必ずしも見えない時もある。しかし、発見できないのも自然界に分け入る良さ。期待感を抱きながら海洋クルーズを楽しむのも観光の仕方のひとつ。南海の海洋観光が今後の成長株なら、北の海の野生との出会い観光にも期待が持てる▼季節、月、水温等の条件下で、海で見られる鳥類、海洋生物は何か。年間を通してオホーツク海の調査を行い、海の生き物マップ的なものを作成し、北の海の魅力を発信すれば、新しい観光が生まれる可能性は高いと思われる▼さらに紋別沖の魅力は、春の毛ガニ、ホタテ漁から秋のサンマ、サケ定置漁まで、操業の模様を直接見ることが出来ること。以前、ガリンコ号でサンマ漁を拝見する機会があったが、海面を跳びながら集魚灯めがけて音を立てて群がる光景は感動ものだった▼観光の魅力は、予測を越えた事象、光景に出会うことにある。人間が関わってきた歴史、人物、文化遺産等に心を奪われ、タイムスリップする喜び。そして長い年月をかけて自然が作ってきた造形等、それらに出会う感動は人生を豊かにする▼そう考えるとき、オホーツク海がダイナミックに躍動する超自然≠フ光景は、スケールの大きな観光資源と言えるだろう。季節ごとの生命の営みを体感することは、想像の域を超えた、またとない体験をすることでもある。オホーツクの海洋観光は、今後大いに期待できそうだ。