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我が家の庭に小さな菜園がある。エンドウ、インゲン、トマトなどを5月中旬に植えた。それまで暖かかった気候が急変し、6月に入ると雨と低温続き。種、苗植は早すぎた感があり、今年の失敗を覚悟した▼ところが、予定より少し遅れて、土を持ち上げて芽が出始めた。「おっ、良く出てくれた。頑張ってくれよ」と声をかけずにはいられなかった。しかしその後も続いた寒気に、芽は成長を止め、トマトの苗も勢いを失い、葉が黒ずむなど元気がなくなった▼バラのつぼみも、なかなか開かず、このままダメになってしまうのでは?と、弱気になっていた。しかし植物は、嬉しいほどの生命力を持っていた。ビニールをかぶせて俄(にわか)温室を作るなど、手入れをしたことに応えてくれ、20日過ぎからの気温の上昇で、再び元気を取り戻してくれた▼竹の棒を立てると、翌日早くも、それに向かって立ち上がっていた。そして蔓(つる)を巻き付け、グングン成長を早める。棒から遠くても、どうやって棒があるのが分かるのか、蔓を伸ばしてからみつく。その力強さと生きる知恵に驚かされる▼野菜たちから、こんな姿を見せつけられると、何とかして立派に育てたいと真剣に思う。強い風の日は、にわか作りの風よけを張り巡らし、雨が多すぎるとビニールをかぶせたり、水やりや追肥…なかなか大変である▼しかし、昨年もそうだったが、花をつけ、実がなり、次第に大きくなる成長過程を見るのは、本当に楽しいものだ。立派に育てるのが責任と思うようになり、毎朝真っ先に見るのが楽しみになっている。外側の花びらが少し縮んで開花が心配されていたバラも、最近の好天で一気に開花した。豆類もやがて実をつけるだろう。でもまだまだ安心は出来ない。