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安倍晋三政権から約1年、日本の政治は事実上止まっていた。21日に衆議院が解散され、何はともあれ国民不在、世界に恥じるこの間の日本の政治は、一応の終点を迎える。21日は、決別と再出発の日。そう受け止めたい▼自民の大混乱、右往左往の様子を見るにつけ、、自民党議員が今まで、いかに寄らば大樹の陰≠セったか。頼みの大樹が揺らぎ、風が自分に当たり出すと、そんな経験がないために必要以上に慌(あわ)てふためき、浅知恵の自己主張を繰り返す。大樹に一本芯を通して来たのなら、揺らぐ時こそ足下を固め、新しい知恵を導入し、自分の樹を守れば良い。自民党のていたらく≠ノ国民は信頼感を失い、愛想をつかしているのだ▼対する民主党。何もしなくても相手がこけ、現時点では民主党が衆院選圧勝の勢いだ。困難と思われてきた政権交代が、かなり明確に見えてきた。しかし国民が抱く不安は、自民・民主両雄が、政策論争で相激突し、雌雄を決する選挙でないことだ。自民の自壊、そして民主党に対しては、明確な予算の裏付けなき公約、世界の中の日本を感じさせない政策に不安感がある▼とは言え国民は、理屈抜きに現状からの脱出を求めている。衆議院の解散、総選挙で、日本の政治を再出発させたいのだ。結果がどうなろうと、選挙の後に本物が見えてくるだろう。選挙後に、波は複数回訪れる。民主党が政権を取ったとして、霞ヶ関改革が本当に実行出来るのか。予算をどう捻出するのか、自民系は今後に向けどう建て直しをするのか。混乱が一応の収束を見たとき、次のステップは真実でなければならない。政権がどうなろうと、日本の政治は衆院選で間違いなくリセットされる。狂乱から抜け、新しい日本を設計してもらいたい。