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「オバマジョリティー」という新語が、6日の原爆・平和祈念式で、秋葉広島市長から発せられた。「核兵器を使った唯一の国として、核廃絶に向けて行動する道徳的責任がある」と明言したオバマ大統領の名前と、核廃絶を願う多数派(マジョリティー)を合わせたものだ▼原爆投下から64年。人間が、同じ人間に対して行った、世界で最も非難されるべき大量殺戮(さつりく)行為。その恐怖は今もって世界から消え去っていない。現在の核保有国は7カ国。それに北朝鮮など3カ国が持っている可能性がある▼特に日本は核保有国、疑惑国に囲まれ、核攻撃される危険性は現実味を帯びている。核を持ちたいと考えている国は今後も増え続けると言われ、人類は、広島、長崎の教訓を、活かすどころか、核への依存度を高めている▼オバマ大統領が掲げる核兵器削減、核不拡散は当面の世界の願いだが、道は遠い。しかも、現在核保有国(7カ国)が持つ核爆弾の、1パーセントでも使われれば、人類は滅ぶことになる。そう考えると、目指すべきは「核の廃絶」しかない▼秋葉市長は、平和宣言の中でこう訴えた。「イエス、ウイー、キャン」=核廃絶は絶対に出来る=と。それに向けて全力疾走する決意を示した。人類は、果たして核兵器のない、心安らかな日を迎えることが出来るのかどうか。遠く、険しい道のりを、近く、平坦な道にして行かなければならない▼しかし、オバマ大統領の出現で、核廃絶の期待が高まったのは事実だ。しかも核兵器のない世界≠ヘ、人類の「マジョリティー」の願いだ。だから実現することなのだ。日本は、その先頭に立って人類の願いに挑戦すべきである。その資格を最も有する国なのだから。