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数学者で、著書「国家の品格」などで知られる藤原正彦氏が、選挙のマニフェストについて述べている。「選挙公約という立派な日本語があるのだから、安易なカタカナを使わない方が良い」「内容がさらに気にくわない。国民の歓心を買いような文句ばかり。ご機嫌取り競争としか映らない」ーと▼さらに「政治家の頭には、国民ばかりでなく国家もなくてはならない。国家のため国民に耐乏生活を強いることもあり得るし、時にはウソをついて国民を欺(あざむ)かなければならない事もあり得る」と述べている▼本当にそうだと思う。総体的に、国民は自分の周辺からの要求が強いものだ。生活が、より豊かになるのは喜ばしいことに違いないが、それが国家にとって将来的にどういうことなのか、そこまではなかなか考えないものだ▼日本という国は、今後世界の中でどういう役割を演じ、存在感を出すべきか。未来を見つめることの出来る国家の道筋を、どうつけるか。その大テーマを国民に意識づけるのも、マニフェストの大きなテーマなハズだ▼今回の衆議選が日本の近未来に大きな影響を持つものなら、有権者はもっと責任を持った考え方をすべきだ。近く行う投票行為が、現在投票権を持たない、今の赤ちゃん、少年少女、若い人たちの未来を決めるのことも、深く意識すべきでないだろうか▼目先良ければ良い政治家、良い政党。その後は知った事じゃないー。結果的にはそういう意識になってはいないか。いろいろな要因で、人類が右肩下がりなのは否定できない。日本人の生活もさらに厳しい状況になるだろう。耳障りの良い約束の連続は、その後の負の反動≠ニして、後世に姿を現すことになるのだ。