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デスク記事

2009/08/29

 札幌駅から江別まで、列車に乗った。「車両入り口付近の優先席では、必要とされる方に席をお譲り下さい」「優先席付近での携帯電話のご使用はご遠慮下さい」と車内アナウンスが流れる。乗客はあまりなく、座席は充分空いていた。しかし一般サラリーマン風の方、主婦、そして若い人まで、何のためらいもなく優先席に腰を下ろす▼優先席のトナリに座った若い学生風の男、その横に座った主婦が、座るやいなや取り出したのは携帯電話。ゲームをやっているのかどうなのか、何の遠慮も周囲を気にすることなく、携帯電話の私用はいつまでも続いた▼車内放送が注意を促しているのに、他の車両の優先席も、優先の必要のなさそうな人が、少しの遠慮もなく座っている。アナウンスが聞こえているハズなのに、または聞こえなくても、優先席の注意書きを見れば分かるはず。それなのに、全く意識にない様子▼段々腹が立ってきた。電話を使っている2人のところに行き「先ほどアナウンスがあったでしょ。携帯、ダメですよ」と言うと、主婦はあわてて、しかし無言でバックにしまった。若い人は上目使いに私を見て、やはり黙って携帯をポケットにしまった。迷惑そうな顔をして…▼今の世の中、注意をした人が反対に恨みをかい、暴力をふるわれるケースが良くある。だから、見て見ぬフリをするのが賢明なのだそうだ。これを「君子危うきに近寄らず」と言うのだろうか。しかし時には私は君子≠ゥら外れるときがある▼聞けば、電車に限らず、都会の人は注意を喚起するアナウンスには慣れっこになり、あまり気にしないという。注意する人のことを「よそ者、馬鹿者、いなかもの」と言うのだそうだ。でも、どこか違っていませんか。