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デスク記事

2009/09/23

 人ごととは思えない≠サんな気がする。JAL=日本航空=の再建計画で、アメリカのデルタ航空との提携計画が持ち上がっている。実現すればデルタ航空の圧力下で、JALの太平洋路線が弱体化し、必然的にJALのアジア路線、日本の国内路線強化が進むと考えられている。そうなれば、ANA=全日空=とのアジア、日本国内での競争が一段と激化する可能性がある▼すでにANAはユナイテッド航空、ルフトハンザ航空、シンガポール航空などと「スターアライアンス」提携を行い、その結果長距離路線を縮小し、アジア、日本国内への路線にシフトした。それと同じ現象が必然的にJALにも起きることは容易に想像される▼しかしそうなれば、次のステップとして考えられる形が、JALとANAの提携である。国際線が手薄になった同じような大手航空会社が、日本に2社必要なのかどうか、そんな議論は起きてくるだろう。今までも何回か浮上した両社提携の話は、今でも水面下でくすぶっているという▼国交省は「2社が競い合いながら発展するのは望ましい」としているが、昨今の航空事情の悪化を考えれば、今後経営安定のため何らかの変化が起きてくることは考えられる。そこで心の準備をしなければならないのは、我がオホーツク紋別空港のことである▼ANAが就航している羽田・紋別空港便は、当地区にとって地域の維持、発展には絶対に欠かせない。しかし、国内最大手2社による国内線の競合、万が一の提携があったとして、全ての国内線の運行の見直しを避けて通れない。経営安定のための合理化が行われると予想すべき。現在進行中の日航・デルタ航空との提携問題は、我が地域にとって遠い話ではなく、今後も注視すべき問題なのである。