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デスク記事

2008/07/04

 パソコン業界を席巻(せっけん)し、「マイクロソフト社」を世界最大のソフトウエアー会社に成長させたビル・ゲイツ氏が経営の第一線から退いた。52歳の若さでの引退である。今後は夫人と一緒に社会への奉仕活動に重点を移すという▼ハーバート大学を中退し、ポール・アレンという親友と会社を興してから、推定6兆2千億円という、途方もない個人資産を持つ世界の顔≠ノなった。しかし、彼を知る人の多くは「そこら中に居る普通の男。実に地味で、誰とも隔てなく会話を交わす」と、その人間性を表現している▼世界中を飛び回っているが、一般の旅客機に乗るときは必ずエコノミークラスに座っていて、乗客の多くは世界一の資産家・ビル・ゲイツであることに気がつかない。ジャンクフード(インスタント物など)が好きで、高級レストランなどにはあまり行かないという▼彼の家はシアトルにある。旅行したとき、その家を見た。湖の対岸にある彼の家は、見た目には小さな普通の家だ。しかし、その近くまで自由に行くことは出来ない。許可された者だけが、山の中を、ビルゲイツ専用路を通ってたどり着くことが出来る。そして、その小さな家の地下には、要塞のような広大な住居があるという▼世界一≠フ人物ともなれば、当然ながら身辺警護も必要になってくる。彼の素顔が、いくら発明好きの、気さくな人物であっても、彼を訪ねて世界中から集まる要人などを考えると、好きなような生き方が出来ない悩みはあったかもしれない▼妻・メリンダさんと共に作った「ビル・アンドメリンダ・ゲイツ財団」で、彼は慈善事業に人生を捧げるという。その鮮やかな転身ぶりは、人に「人生をどう生きるか」を示唆している。