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「寒くなってきましたねえ」という挨拶が、以前なら「寒さに耐えなければ…」と後ろ向きな気持ちになっていた。しかし最近、特に今年は「そろそろ寒くならないと…」と、地球温暖化を意識しながらの会話になっているようだ▼我が家の庭のツツジが先週開花した。その後の雪で、ピンクと白のコントラストが美しかった。しかし、そんなことに感激してはいられない。春に咲くツツジが冬の入り口の時期に咲いたのだ。果たして来春、再び咲いてくれるのだろうか▼植物の本で調べると「植物には季節の移り変わりを知る仕組みがある。温度の変化からそれを知る」「春に咲く花の多くは、冬の低温と春になって日が長くなることで開花時期を知る」となっている。冬の寒さと春の温かさが、開花時期を促すのだろう▼今年は夏が寒く、秋が温かかった。例年以上に、そんな気候になっている気がする。寒さと温かさがジェットコースターのように周期的に変化した。そんな気候変動が、植物の季節を感知する機能を狂わせているのだろうか▼アラスカから便りがあった。「例年より明らかに温かい。以前のアラスカを考えれば、別の土地のように感じられます。過ごしやすいのは助かりますが、その分少し気持ち悪いですね」と。私たちが紋別で感じる異常≠、アラスカの人たちも感じているようだ▼アメリカのオバマ大統領は14日の東京演説で「気候変動への対応が、簡単なことだと幻想を抱いている訳ではない。全ての国が責任を受け入れ、地球を破滅させずに経済成長を成し遂げなければ…」と力説した。経済成長と環境保全のためには、新エネルギーの開発が急務だ。人知が及ぶのか、それまで自然環境が待ってくれるのか、人類は瀬戸際に立っている。