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デスク記事

2008/07/11

 「臭いものに蓋(ふた)をする」という慣用句がある。世の中、次から次に、多種多様の事件・事故が発生すると、どうしても一時しのぎの対処療法的な方法になってしまうようだ▼秋葉原で無差別殺傷事件が起き、犯人はダガーナイフという両刃のナイフを持っていた。このナイフを販売規制しようとする動きが都道府県に広がり、禁止を議決する県も増えている。もっとも「その時期ではない」と、東京など8都府県では販売規制をとらない▼地球温暖化防止の具体策の一つとして、コンビニの深夜営業規制への論議が活発だ。約4万2千店あるコンビニで規制を実施したら、日本全体のCO2排出のうち0.009%削減できるという。コンビニ業界は「夜間の防犯に貢献しているし、従業員約30万人の雇用に影響が出る」などと反論している▼発生する事件・事故は、表面化した社会現象の「点」に過ぎない。その根源は深く複雑。ルーツを辿れば、社会の発達、経過による副産物≠フ面もあるだろう。8年前、神戸での連続児童殺傷事件などでバタフライナイフが規制対象になった。今度はダガーナイフである▼「付け焼き刃」的な規制は、時には事の本質から目をそらす逆の結果になる。コンビニは、この社会の一つの販売様式。現代社会の動きの中から生まれてきたもので、それを否定するなら、他の業界、業種も、等しく規制対象にしなければならない▼やり易いところに目を向けて行政実績を図ろうとしても、根っこの解決にはほど遠い。何かが起きれば短絡的に目を向け、魔女狩りみたいに「点」の攻撃をするのは如何なものか。今の社会は「善」を求めれば「悪」も付随する、抜き差しならない構図になっていることを忘れてはならない。