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単語の語尾を短縮したり、意味不明の文字「し」をつける「若者言葉」が気になる。未だに衰えない「かわいい」は、完全に市民権を得たようだ。衣類も食べ物も、部屋など構造物や風景に至るまで、「似合う」「おいしそう」「きれい」など、それらを「かわいい」と表現する▼「早い」を「ハヤ」、「長い」を「ナガ」。さらに話し言葉のあとに付ける「し」があふれている。「そんなことないし=v「持ってないし=v「行くし=v。言葉はそこで終わり。何ですか、これ。本来「し」は並列の意味を持っており「それも好きだし=Aあれも好き」など接続的に使われる▼もっとも「かわいい」や「し」、さらに短縮単語は、まだいい。若者言葉と言うのがあって、初めて聞くと意味不明の略語。「ATM」=あなたの便りを待っている。「チョーLL」=大変ラブラブ、「ラブい〜」=かわいい、素敵などなど。「ハムト」など感心してしまう。公衆トイレのこと。公≠ヘハとムから成っているからだ▼若者言葉を多発する女性に「何でそんな言葉を使うの?カッコいいの?」と聞くと、「言葉の成りたちには意味があるんだよ。簡単に作った訳でないの。それに、若者言葉はキレがいいでしょ。サッパリしているわ」と明快だ。確かに、「NSX」など何をしてもダメ≠ニいう意味。ダメ≠×にしたところが面白い▼さらに彼女は「覚えるのも大変だよ。次々に新しいのが出てくるからね。知らないと悔しくて焦るよ」と、流行に遅れないための努力も並大抵でないらしい。でも、この文中に挙げた略語は、もう時代遅れという。それこそ言葉の流れは「ハヤ」であり「ついてゆけないシ」、かわいくない。