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7月の紋別市議選を前に、現職のベテラン議員が相次いで不出馬を表明した。「後進に道を譲る」というのが理由だが、肝心の新人の動きが今一つ鈍い。このままでは低調な市議選が予想される。しかし紋別市は今、地域の浮沈をかける接点にある。その時の市議選である▼課題は多い。オホーツク紋別空港をどのようにして存続させるか、西紋地域が運営する新病院をどう充実させ、経営路線に乗せるか、すでに始まった市街地再開発をどう進めてゆくか−など、今までにない大きな課題が数多くある▼しかし世界もまた同じだ。目の前に来た地球環境、食糧、水問題など深刻で巨大な課題を抱えている。それにつれ、世界各国もまた変革のスピードを上げている。アメリカのオバマ大統領が「変革」を 掲げ当選したが、強大国アメリカにして、変革なき明日はないのである▼紋別が一次産業のマチであることは、従来から未来まで変わることはない。しかし、この豊かな資源を、そして都市そのものをブランド化させることは、発展のための必須条件だ。それは行政だけでなく市民全体の意欲で実施するものだ▼その市民の声を吸収して行政に反省させるべき市議会から、もし活力が失われたら、明日の紋別はないだろう。紋別市を良く知るベテラン議員と、新鮮な感覚を持つ新人議員とで、市議会を活性化して欲しい。議会に課せられた使命は、さらに重いと言える▼確かに新人が立候補するとなれば、その人の置かれている立場、環境が大きな壁になる。しかし時代は変革≠ネのだ。選挙のやりかたも自分自身で変えてみることも必要だろう。ベテラン議員が去ってゆくのも、時代の必然性かも知れない。それなら、新しい市議会を実現するために、勇気ある挑戦が期待される。出でよ勇者。