デスク記事
紋別市教委の前係長の公金横領問題は、既に発覚している「ホットランド・オホーツク」関連のものだけでなく、前職の空港対策係長時代にも私的に流用していた疑いが濃くなった。次々に明るみに出る不祥事。単に一市職員の横領問題にとどまらず、紋別市のチェック体制がどうなっているのか、市民の疑問は広がっている▼空港対策室時代の私的流用は本人が証言したもの。市議会でそれが報告された。平成15年頃から流用行為があったが、市のこれまでの調べでも通帳類に不明朗な金の流れがあったという。それが、どうして今に至るまで表面化しなかったのか。もしホットランド問題が起きなかったら、この私的流用は明るみに出なかった可能性がある▼公金の経理の過程で不明瞭な、または不自然な面があっても、それが見過ごされるようなことは、市役所業務にあってはならない。これに関わる職員、上司など、全ての職員は公金が正常に使われているかどうか、緊張感をもった厳正な視点を持たなければならない。関係全職員に課せられた責任と言えよう▼本当に、今の今まで誰も不正が察知できなかったのかどうか。あるいは誰かが知っていながら、流用金が返金されたから黙秘したのか、上司のどこまでがそれを知り得たのか、疑問が残る。最悪の場合、職員の不正をもみ消した疑いさえ生じる▼もしこの時点で明るみに出ていたら、今回のホットランドの問題は起きなかっただろう。だからこそ、市のチェック体制の甘さ、関係職員の対応の不適正さが問われるのである。返金したから問題が終結した訳ではない。そのお金の調達先はどこなのか、さらにその後の不正流用・。それを可能にしたのは、市の公金経理の甘さにあった。徹底した原因の追及を望む。