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デスク記事

2010/06/25

 参院選挙が間近に迫った。しかしこの選挙に何か期待するものがあるのだろうか。鳩山政権が崩壊した瞬間から、政治は選挙至上主義に狂奔した。世界の中の品格ある日本とは何か、そのために政治はどこに向かうべきなのか。そんな基本的な姿勢は忘却の彼方だ▼今まで政治など考えもしなかった人物が、知名人と言うだけでおだてられ、立候補する軽薄さ。それを画策する政治家。チルドレンなどという、国政には誠に似つかわしくない表現がまかり通る稚拙さ。世界から笑い者になっているのを尻目に、選挙しか見えない無責任ぶり▼人気がある早い内に選挙をやり、数だけは確保しようとする、なりふり構わない無節操さ。それでも国民の不満の受け皿に成り得ない野党。口を尖らせ、口きたなく相手攻撃に終始するしか能のない野党。与党も野党も、あまりにも稚拙(ちせつ)だ。そんな人達が、戦後の奇跡と言われる日本を構築した先達に、どんな顔をして「今」を語れるのか。政治は今どん底の時代を迎えた▼にわか仕立ての、政治の何たるか何も分からない人が、霞ヶ関の、優秀な頭脳と経験を有している官僚をどうやって除外し、政治主導を貫けるのか。官僚という手持ちの駒を有効に使うことが政治家に求められるけれど、使うにもそれだけの素養、度量が必要だ。実力のない、頼りない政治家の誕生こそ、国民にとって最大の不幸だ▼世界一の財政赤字、経済は危機的状況、政治と金の問題は隠れ蓑の中。閉塞感に包まれている現状。贅沢病に慣れてしまった国民の我が儘。それらが日本をどん底に陥れようとしている。しかし、日本人という勤勉で誇り高い、品格ある国民性は健在だと信じたい。あとはそれに頼るのみ。蘇(よみがえ)れ、日本。