←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2010/06/27

 国際協力銀行企画部長の前田匡史氏(52)が、内閣官房参与に任命された。前田氏は紋別とは縁が深く、国際シンポジウムを始め国際交流委員会の講演会などに協力されている方。サハリン沖石油開発による海洋汚染問題についても、地域の声を政府、ロシアのガスプロム社(サハリンUの最大株主)に反映させている方である▼内閣官房室は、総理大臣を直接補佐、支援する機関。菅内閣は先週新たな成長戦略をまとめ、特にアジアに於ける高速鉄道など大型プロジェクトの拡大を推進しようとしているが、前田氏はアジアはもとよりプロジェクトの枠組みに精通している、高い識見を持っている方。今後の国政の方向付けに力を発揮することになる▼昨年10月、前田氏が紋別に来た際こんなことを言っていた。「鳩山政権は普天間問題が命取りになるでしょう。しかも先は見えております」・と、超短期政権であることを予測(分析)していた。鳩山内閣が誕生したのが9月だから、ほぼ発足時点で先を見通していた▼前田氏は「最も霞ヶ関らしからぬ男」と言われている。それは前田氏の現場主義から来ている。「デスクワークより現場を訪ねること」を第一義として、米国、中東、そしてアジア諸国の実状を肌で学んできた▼国際協力銀行の企画部長として、サハリンUに融資をする際には再三紋別を訪れ、民間組織である「オホーツク環境ネット」と話し合い、また北海道各地の地元の声を聴き、それらを融資の条件としてガスプロムなどに伝えている▼「国家プロジェクトを立てる際、最も重視しなければならないのは現地の声。それを無視した事業を国家プロジェクトとは言わない」と、草の根の声を行動の原点に置いている。頼もしい方が要職に就いたものだ。