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デスク記事

2010/07/09

 東京の有楽町、マリオン(西部百貨店と映画館のあるビル)の裏に宝くじ売り場がある。当たることで有名な売り場だそうで、複数の窓口があって、そこに長い列が出来る程だ。多く売れれば、それだけ売り場からの当たる確率が高くなるのは当然≠ニ思いつつも、気がつけば並んでいた▼たまに来る東京。まあ、普段あまりやらないことも…と自分に言い訳しながら購入した。ついでに、並んでいる人の買い方も見させてもらったが、さすが東京。千差万別だ。札束を持ってきて「ハイ○○円分。そう、全部連番で」と分厚い1万円札を窓口に出す人もいた▼個人のものか、あるいは職場の同僚などから依頼されたものか分からないが、それにしても豪快な場面を見させてもらった。反対に「1枚下さい」という人もいた。1枚に夢を託すのも賢明なのかも知れない。3百円なら、当たらなくても夢を見たことには変わりない。反対に、高額を投資しても、当たる確率は決して高くはないのだ▼では、当たる確率はどのくらいなのか。7億〜8億枚ほど売れるようだから、当然ながらなかなか正夢にはならない。「東京ドームに新聞紙を敷き詰めて、天井から落とした針が新聞の1文字に当たる位の確率」と計算する人もいる▼それでも宝くじを買う人は、ただ夢を買うだけではなさそうだ。「○○円当たったら、あれが買えるなあ、旅行にも行けるなあ」「そんなに当たらなくても、百万円でもいいよ」「いや、1千万円は当たって欲しい」と、夢は夢でも現実的な夢を見る▼当たる確率の計算をするより、人は「運」に重きを置く。運なら、もし自分につけば3億円も身近になる。みんな「当たらないさ」と言いながら、当たることを考えている。この無邪気さがいい。