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デスク記事

2010/07/11

 「オホーツクの魚介類が最高の品質なのは知っているが、なかなか手に入らなくて…」と良く聞く。私が所属している団体の全国の会合でも「オホーツク産品は憧れ。でも、身近にはあまりなく、本当に手に入らないのです」と言われる▼そう言われて手をこまねいていても仕方ないし、郷土の産品を誉められるのは心地よい。「毛ガニの旬の時に送るよ」「ズワイガニも食べやすくて美味しいよ」「かまぼこも素晴らしい」と、送ることを約束する。その際彼等は「こっちから何を送ろうか。そうだなあ、特別なものはないなあ」と首を傾げている▼「見事なカニだねえ、感激したよ。すごいなあ、オホーツク海は」「こっちでは味わえない、特別に美味しい蒲鉾(かまぼこ)でした。オホーツク海から獲れたホタテやエビが入っていて、オホーツクの香りいっぱいだ」と、最大級の賛辞を伝えてくる▼お世辞とはとても思えない。それは実感だろう。現に、私にとっても北海道の、そしてオホーツクの農・水産品が一番だ。私は、この地域の食材は日本一であり、世界一とも思っている。世界中を回った訳ではないが、食材の見事さは絶対的なものがある▼しかし残念なのは「オホーツク産品は憧れ」と言われながら、一般にはまだまだ身近な食材にはなっていない・と言うことだ。「別格の美味しさ」と言いながら、同時に「買おうと思っても、ないんだよオホーツクのものが」と言う▼充分には全国に広がっていないようで、それも東京や大阪など大都市以外になると、オホーツク産品は大袈裟に言えば幻(まぼろし)の商品になっているようだ。しかし、だからこそ今後の、更なる流通に期待が持てる。なにしろ「憧れ」の商品なのだから。