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まるで戦犯のようだった。12日の民主党役員会での菅直人総理、枝野幸男幹事長の表情は、とても日本のリーダーシップをとっている人物とは思えない、おどおどしたものだった。何を恐れ、萎縮しているのか。選挙で当選者数が目標に達しなかったからと言って、何も弱腰になる必要はない▼今回の参議選は任期満了によるもので、菅総理の評価が問われた選挙ではない。就任からまだ1ヶ月。鳩山・小沢ラインが崩れて、押し出されるようにして誕生した菅政権である。選挙結果は、政権交代の行われた昨年の衆議選以降の民主党の迷走ぶりが主たる要因。今回の選挙に鳩山・小沢体制で臨んだら、もっと悲惨な結果になっていただろう▼国民は消費税を否定したのではない。順序の無視に対してレッドカードを示したのだ。また、国政運営の哲学もなく、政党間、ないしは党内抗争に明け暮れる現状に嫌気がさし、支持政党も曖昧(あいまい)な中で、一票を投じたのが今回の参議選だ▼菅総理、枝野幹事長はじめ党の執行部が続投を決めたのも当然のこと。選挙敗北の責任を執行部に迫るのであれば、それらの政治家は、先ず自らの責任を問う必要がある。火の粉は逆風となって降りかかってくるだろう▼菅総理に、一定の期間国政の舵取りを任せることが必要だ。緒外国に対しても、これ以上日本のトップが短期日に変わることは望ましくない。日本が、真剣な外交の相手国とされなくなるからだ。そして日本は、自国のみでなく世界に責任を果たす立場にある事を再確認する必要がある▼菅総理は、胸を張って国家の運営に邁進すべきである。選挙結果を謙虚に受け止め、それをバネに、自分のことしか考えない、下心のある卑屈な政治家を置き去りにして、王道を歩んで貰いたい。