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▼参議選の余韻が続くなか、今度は今月25日に紋別市議選が告示され、8月1日に投票日を迎える。定員18人に対し、今のところ19人の立候補が予想されているが、それも全員が市議経験者。これでは同じタライの水をかき回すような、新鮮味のない選挙になりそうだ▼市議とは何か。議会制民主主義の中で、市理事者と市議は対等の立場ながら、実質のところ市長の権限は絶大である。予算についても、提案権は市長にあり、議員には一切その権利はない。予算は一括承認のため、個々の政策についての実効的な反対は事実上出来ない。従って市議の最大の役目は、市に寄せる市民の要望、声なき声を最大限汲み上げ、議場で市理事者と真剣な論議を行い、市政に反映させることに尽きる▼しかし市民は紋別市議会に対して物足りなさを感じている。ある意味諦(あきら)めの心境の人も決して少なくない。閉塞感漂う郷土を浮上させるための課題は多いのに、市民は議会を身近に感じていない。それは何故か。多くの市民は「我々の意見を真摯に聞きに来る議員は少ない。議員は住民代表として、我々と一緒に地方自治を目指すべきなのに」と言う▼また「議会での質問、市理事者への追求も通り一遍。昨今発生している重要案件についても、市民を納得させるものでなく、拍子抜けするような質問に終わっている」と手厳しい意見を言う人も多い▼個性ある都市に脱皮しなければ明日の希望はない。どこの都市も懸命になって他都市との差別化をはかり、前進しようとしている。だから、市議立候補者自身も変わらなければ、従来通りの緊張感なき議会になってしまう。「信なくば立つな」は立候補者の鉄則である。地方自治への情熱と見識を持った、真の住民代表であれ。