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デスク記事

2010/08/04

 立候補を決意した最大の動機とは何か。言うまでもなく、とにかく議員になろうとする事ではなく、議員になって何をするかであろう。閉塞状況≠ニ言われて何年になるか。どの地方自治体も今、他から取り残されないよう、明日の光を見い出すための努力の真っ最中である。その自治体間競争を勝ち抜くために、燃える思いで立候補し、主張し、有権者に信を問うたはずである▼4年間で、一番力を入れるのが選挙であってはならない。選挙は有権者に与えられた市政への参加の権利であり、その結果、期待を得て議会に赴(おもむ)く議員は、それからが本番なのである。選挙で訴え、市民に約束したこと、その情熱を、長く持ち続けて欲しい▼議員に当選された18名の一人一人に言いたい。「当選とは、出発点に立ったに過ぎず、ましてや4年間を約束された訳ではない。議員とは何か、何を成すべきか、日々反省し、少しでもその枠から外れている自分を発見したら、即バッジを外す厳しさを持て」と▼当選された18人は、全て市議の経験者だ。その意味では、議会の顔≠ヘ今までと同じ。しかし地方自治体にとっては、今は断崖絶壁に在る。環境は激変しているのだ。その中で明日へのステップが見えないという閉塞感が市民の心を覆っている▼島崎藤村の千曲川旅情の歌の一節。「昨日もまたかくてありけり、今日もまたかくてありなむ」ではいけない。議員は今を反省し、明日はさらに新たな一歩を≠ニ頭を巡らし、そのために市民の声に耳を澄す必要がある。顔は同じでも、議場は新鮮であって欲しい。議員はその責任を心に、市理事者に追随することなく、議論し合い、明日を論じるべきだ。それが出来ない議員は、資格なき者と悟り、静かに去るが良い。