デスク記事
「こんな暑さは経験がありません。仕事も手に着かない有様です。しかも連日繰り返される暑さ。そして突然の激しい雨。信じられない程の。まさにスコールが来たみたいです。地球の温暖化によるものでしょうか」。こんなメールが東京から寄せられた▼私は返信で暑中お見舞いの言葉を送りながら、こう文章を付け加えた。「オホーツクも暑い日が続きました。しかし本当に暑かったのは一日だけで、それも気温は猛暑日になりませんでした。お盆を過ぎると、早くも秋の気配。筋状の雲は高く、夕焼けも静かなたたずまいです」と▼今年の紋別地域の夏は、日本の中で最も過ごしやすかったのではないだろうか。心配された台風も、そして「豪雨」が予報された時も、この地域は穏やかで、災害による被害はなかった。国内はもとより、道内各地で、また近隣地域が激しい雨の時も、幸いにも紋別周辺は何事も起こらなかった▼災害のないマチ。そんな思いが私たちには当たり前≠フようになっている。そして実際、長い年月にかけて、そうなっている。とても幸運で、有り難いことだが、それは偶然でも何でもなく、立地的な要因に依るところが大きい▼火山帯から外れ、太平洋で津波が発生しても、知床半島、北方領土が壁になってくい止めてくれる。従って地震、津波の心配は薄く、台風も、日本列島の最北に位置するオホーツクに来る頃には、温帯性低気圧に弱まっている。天災のない地域≠ニいう言葉は、間違いなくキャッチフレーズになるし、それを言える私たちは幸いである。ただ「災害は、忘れた頃にやってくる」という諺もある。当たり前と思わず、感謝する心を失わなければ、この地域の静穏は、今後も私たちと共にあるだろう。