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デスク記事

2010/09/26

 地方自治体の「自立」が今ほど求められている時はない。国に地方自治体が支えられてきた時代は去った。過去から脱皮することが、存続への絶対条件となった。時間的な猶予はない。急速な環境の変化に素早く対応する地域の知恵が、今求められている▼内向きの議論をしている時ではない。そのリーダーである紋別市役所は、理事者はもちろん、職員も早急な意識改革が必要だ。時間がたてばそれなりに事が運んだのは過去のこと。今は懸命になって近未来の地域作りを考えよ。北海道内の自治体は、それぞれ生き残りをかけて他より先を行こう≠ニ行動を起こしている▼ここで提案したい。前を走っている自治体、事業を起こしている団体等に放射線状に職員を派遣し、単なる視察ではなく一定期間滞在させ、何が自治体を元気にさせているか理解させてはどうか。日々同じような表情で勤務している職員は目を覚ます必要がある▼学ぶことで覚醒した市職員と市民が公開討論を行い、この地域の明日の姿を模索するのだ。行政が市民と一体になって次の一歩を踏み出さなければ、他の自治体の背中は益々遠くなる。気がつけば何の注目も集めない地域になってゆくだけだ▼市議会が、建設的な問題で論議を交わす姿に、最近お目にかかれない。原因は市民の意識を議会に反映させていないからだ。理事者提案を審議するだけの議会なら、議員を選挙で選出するまでもない。いつまでも市職員の不正事件に全精力を向ける必要もない▼市民の閉塞感はそこから来ている。ハラハラしながらも、ワクワクするような方向を示すのが行政の役割。それを促すのが市議会なのだ。従来に増して鋭利な思考とスピードが求められている。明日≠ヘ待つものではなく、創るものだ。