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道立紋別病院の西紋5市町村への移管が、来年4月に正式に移管されることに決まった。都市機能整備の「核」となる医療体制充実へのスタート台に立った。しかし、これからが正念場。西紋地域の中核病院として、医師の確保、安定的な経営に向けて茨の道を歩むことになる▼しかし良くここまでこぎ着けた∞ようやくここまで来た≠ニいう感がする。2次医療の総合病院を、事実上西紋の自治体で運営してゆく困難さは始めから分かっていた。経営赤字が、やがて自治体財政に大きな負担になり、病院の運営が不可能になるという懸念も消せない。しかし道から地域への移管を決意させたのは「総合病院がなければ地域の向上もない」という、切羽詰まった現実にあった▼西紋地域5市町村の今後を考えるとき、「安心できる病院ありき」が優先する。住民生活のためには、医療の支えがなければ何事も始まらない。流動人口を呼び込むためにも、各種施策の背景に医療の充実は不可欠。広域病院経営に踏み切ったのは、このような地域事情が有るためだ▼紋別市福祉・保健・医療アドバイザーの細谷辰之氏はこう語る。「医師の確保など、今後には多くの試練がある。しかし西紋地域がとった今回の移管の決断は、うまくいけば全国の地域医療の在り方の方向をつけ、反対に失敗すれば、道から巨大な資金を導入した地域エゴと取られる。成功させなければならない」と語る▼病院の姿も建設場所もまだ決まっていない。全てはこれからだ。しかし、この病院を全国に誇る病院にすることができるのは、私たち住民だけである。官・民の連携が見事に出来れば、他の施策にも連動し、地域の発展につながるだろう。これを試金石ととらえたい。