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デスク記事

2010/10/12

 薔薇(ばら)は春から冬の入口まで花をつけるので、長い間楽しむことが出来る。例年だと、せっかくの蕾(つぼみ)も寒さのため開花出来ず、そのままになることも多いのだが、我が家の庭の薔薇は10日ほど前から今が盛りと咲いている。その中の一本は、それまでつけていた約50個ほどの蕾を次々に開花させ、それも春、夏の時より大輪だ。思いがけず楽しむことが出来た▼近所の方が、ツツジが開花していることを教えてくれた。見ると、5個ほどの花が風に揺れていて、ほかに次の開花を準備する蕾も散見できる。そこに雪虫が舞ってきた。この時期、春を告げるツツジと冬の到来を知らせる雪虫の取り合わせは奇妙である▼これを異常≠ニ思うのは簡単だが、夏から今にかけての、日本列島の長続きする暑さなど異常現象が多い昨今、ピンクと白の光景を「おもしろい」と単純に楽しむのも良いのではないかと思う。そして、持てるエネルギーの全てを放出するように、全ての蕾を開花させる薔薇の強さに拍手をおくりたい▼とは言え、例年とは違う地球環境がやはり気になる。ロシアを始めヨーロッパの各国では、森林火災や猛暑、豪雨などにより多数の死者が出たし、おとなりの中国や朝鮮半島でも、長雨が莫大な被害をもたらした。反面、例年なら乾燥による山火事、住宅への延焼被害が出るアメリカ・ロサンゼルスからは「いつもとは違って大変快適な日々」という便りが届く▼我が家の庭に見る小さな異常。そのように地球上、どこにでも?マークがあるのではないだろうか。でも考えてみれば、宇宙の壮大な営みの中のほんの小さな変化が、地球という惑星に大きな影響を及ぼすのは当然と言える。それが在るがままの自然≠ネのだろう。