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デスク記事

2010/10/22

 紋別市政の柱になっている事業が「流動人口の増加。首都圏などからの移住」である。それに対して冷や水を被(かぶ)される意見が、17日に開かれた住民福祉大会で出された。つまり「よそ者に優しくない」「閉鎖的」「市は市民の意見に聞く耳を持たない」など▼これに対する反論もあったし、良い面も多数出された。しかし転勤者や他からの移住者の中から、紋別に対して愛着が持てない要因が挙げられたのは無視できない。それらの意見を謙虚に受け止め、市政に、町内活動、サークル活動などに活かしてゆく必要がある▼人口減は都市の勢いを削ぎ落とす。道都大学の撤退で、若い人が去っていった後の淋しさ、活性化が逆流した悲哀を、紋別市民は嫌と言うほど味わっている。単に人口が減ったとか、消費の減少につながったなどという数字的なものでなく、マチに色彩がなくなり、勢いが後退しているのを実感させられる▼だから、流動人口を増やそうと躍起になっているのだ。道内の多くの自治体が矢張り過疎化、人口減に悩んでおり、その対策として何とかして流動人口を増やそうと、知恵をしぼった事業を展開している。つまり自分のマチへの呼び込み作戦の競争を行っているのだ▼その競争に勝ち抜き、マチを活性化させるための最大の要因は、地元市民同士の相互扶助精神、おもいやりの心を育て、それを他から紋別に来てくれる旅行者、移住者などに反映させ、笑顔のある心優しいマチにすることが大前提である▼まして「よそ者」とか「いじめ」「冷たい」などの印象を与えてはならない。このマチを活性化させてくれる大切な方たち≠ニいう意識を、市民は持たなければならない。紋別市が心優しいマチになれば、活性化は自然的についてくる。