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デスク記事

2010/10/29

 10日前、ロシア・サハリン州に5日間滞在した。州都ユージノサハリンスクは紅葉も終盤を迎え、公園を歩くと、樹々からの落葉で靴が埋まる程だった。サハリンの海岸も、内陸の丘陵地帯も、オホーツク沿岸と良く似ていて、この公園の風情は紋別の市民の森の情景に良く似ていた▼今までサハリンには7回ほど訪問した。当たり前かも知れないが、その都度変化をし、砂利道がアスファルトに変わり、ゴミなども随分少なくなり、環境も良くなってきている。サッカー場やスキー場など体育施設も近代化され、市内各所にある公園も子供用の遊具などが新しくなっていた▼今回の旅の目的は、サハリンエナジー社の巨大プロジェクト「サハリンU」の施設視察だった。そのついでに市内を案内してもらったが、道行く人たちの表情、服装などからも、豊かさと落ち着きが感じられた。一番印象的だったのは、車が極端に増えたこと。ほとんど日本車だが、道は車であふれ、しかも信号機が極端に少ないため、至る所で交通渋滞が起きていた▼帰国のため空港に向かった。早朝に雨が降ったが、ホテルの前はまさに洪水状態。それほどの雨量でないのに、メイン道路が水で埋まっている。そこを車が水しぶきをあげ、それが通行人にかかる。しかも渋滞がひどく車は少しずつしか動かない。交通事故が起きていたため、なお渋滞になっていた。▼道路の水びたしの理由が分かった。道路両側には排水溝がない。雨水の行き所がなく、川状態になっているのだ。運転手さんが私に言った。「だから充分時間をとってホテルを出てきた。いつものことだから」と笑顔。しかしユージノサハリンスクは公園など全てが広く、整然としていて静かで落ち着いた、良いマチである。