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デスク記事

2010/11/24

遠紋地域は「自殺の率」が全道ワースト・ワンだという。中高年の男性が最も危険な層だという。不況によるものも多いだろう。責任のある年代だからこそ、悩み、苦しみ、その思考の先に“死”を見つめてしまうのだろうか▼ある公的機関で責任ある立場の人からこんな話を聞いた。「困難な問題が起きて、その処理の仕方に日夜悩み続けた。いつしか眠ることが出来なくなり、ある日6階の執務室から外を眺めた。何気なく見た地上がグングン自分に近づいてきて、高さを感じなくなり、地面に“ポン”と降りようとした。死ぬ気なんかないのに、危うく窓から飛び降りようとしたのです。幸い、ハッと気がつき、それを契機に、深く考えないようにしたのです」▼作家・五木寛之氏は言う。「曹洞宗を開いた道元の有名な教えに“只管打座”=しかんたざ=というのがあります。何かの目的をもって座るのではなく、ひたすた座り続けること。意味がなくても、目的がなくても、座るということでしか見つからないものがあるということです」と▼そして「人間は、生きる目的とか意味とかに関係なく、今日、明日を生きることに専念し、とにかく生きる。そうやって生きていれば、いつか、やがて何かが見えてくる。私は一日一日を積み重ねることを長く続けようと心がけています」と言っている▼イギリスの作家サマセット・モームは「人生とはおもしろいものです。何か一つ手放したら、それよりずっといいものがやってくるものです」と。行き詰まったら、行き詰まったことを手放すのも、生きる知恵かもしれない。