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名古屋市の河村市長が主導したリコール(議会の解散請求)が、46万人の署名を集めながら、リコールは成立しなかった。選管が11万人の署名を無効と判断したためだ。河村市長は辞職し、市長選に再出馬し、改めて市民の信を問うことにした▼河村市長は名古屋を改革し、硬直化している日本の地方自治を変えようとした。その行動は従来の常識を遙かに越えたものであり、直線的でもある。日本社会には「激変」を受け入れない固定観念がある。経済成長を遂げ、成熟社会が持つ特性でもある。それに加えて、日本人の現状重視′セい換えれば事なかれ主義が社会の硬直化を生んでいる▼改革には社会の強い抵抗があり、それを目指す者には強い意志が必要だ。河村市長が目指す名古屋市の改革が妥当なものであるかどうかは別として、今の日本で何かを変えようとすれば、河村市長がとるような行動は、突破するための一つの手段であろう▼これを他山の石として、紋別市議会の在り方も考え直してはどうか。議員数は現状でいいのか。議員報酬を減らす状況にあるのではないか。紋別に於ける議員活動とは何か。基本的なことから再検証すべきと考える。選挙の時と、冠婚葬祭の時しか存在感のない議員なら、必要ないのである▼一次産業を基盤とし、幸いにも自然環境に恵まれた紋別市は、今後発展する材料は他の都市に比べても多くある。それを活かすためにも、内部からの再検証は絶対に必要だ。時代を直視し、強い意志で次のステップを踏むためにも、行政も議会も、自己改革する勇気が求められている。