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話題は、センセーショナルになるほど興味がわき、恵まれた人に不幸が訪れると、関心が高まる習性が人にはある。「遠くの火、燃えろ燃えろと心で言い」「他人の不幸は蜜の味」などという、人間の心理を表現した言葉もある▼興味≠フ意味を辞典では「意識的な努力なしにひきつけられる心的傾向。快い感情を帯びる」とある。努力無くして心地よくなるのなら、そのような事象には誰もが心ひかれるだろう▼事の真相はこれから判明するだろうが、歌舞伎俳優・市川海老蔵事件について、社会の過剰なまでの反応に疑問を感じる。特にTV放送は、まさに人間の「興味心」を刺激するような手法を駆使している▼記者会見について、心理研究者を登場させ表情の動かし方、目線、口元の微妙な動きまで分析し、「言葉と裏腹。決して反省していない」など海老蔵氏に不利な説明をする。科学的な真実により海老蔵氏の嘘があばかれた│と断言する▼歌舞伎界に於ける海老蔵氏の評価は高い。日頃の努力は誰もが認め、それ故に今日の彼がある。若さ故、夜のマチで開放的になり、少々酒グセの悪さにつながったとしてそれが彼の正体≠ニする断じる事はいかがなものか▼誰にも失敗はある。反省すべきことは、熟年になっても多々ある。それを、まだ若く、一芸に邁進している一人の青年を、何故にこれ程までメディアは嵐にさらし、抹消しようとするのか。彼に非があれば、その責をとり次のステップを目指せば良い。誰もが、その道を歩いて来たはずだ。「興味」が大きな「過ち」を犯さないことを祈りたい。