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行政の中で疑惑や、何か問題が発生したとき、速やかに対応し、真実を知り、再発防止に努めるのが市全体の責任である。紋別市役所の元職員の公金横領事件で、「市役所のチエック体制の甘さと、事を穏便に済ませるための隠蔽(いんぺい)操作が行われたのではないか」という疑義が、議会に、市民間に起きている。それを晴らすための「百条委員会」が設置され、21日初の証人喚問が行われた▼柴田委員長は冒頭、委員会の目的について原因を把握し、再発防止のため未来志向で≠ニ述べた。その目的を達成し、市民に信頼される市役所行政にするためには、証人には委員の訊問に対して包み隠さず真実を述べることが義務付けされている。しかし21日の証人喚問では、傍聴した市民が、あいまいな証言に怒りをあらわにするように、証言の食い違いもあり、この問題はさらに疑惑が深まったと言える▼市の内部調査についても深さがないことが浮き彫りにされた。証人の中には、核心部になると「記憶にない」を再三述べる場面もあった。本当に記憶にないのか、または内部調査に対し、当事者の職員間で勘違いして述べた部分があったのかどうか、さらに疑問を追求しなければならない▼不祥事は起きないことが望ましいが、起きることもあり得る。それを教訓に、それこそ「未来志向」で市民の信頼を得ることが大切だ。それが21日の証人喚問の場に薄かったのは残念だ。この際、出すべき物は出し、スッキリと再出発すべきだ。今後の証人喚問に、それを期待する。