←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2011/01/05

 神奈川県・茅ヶ崎市に住む友人からの年賀状。そこには一昨年の暮れ、悪性腫瘍の摘出手術を受けたことが書かれていた。歯科医の彼の信条は「自分は病気にはかからない」という確固たるものだった。不思議なくらい、彼はそう信じていた。それが突然の大病。言った手前、入院は周囲に伏せていた▼「手術から1年が過ぎました。現在は抗癌剤、放射線治療を施されることもなく、何事もなかったような毎日を過ごしています。君には、あんなことを言いましたが、本当にそう思っていたんですよ。でも、入院は2週間だけ。割と早く退院できて喜んでいます」と、未だに負け惜しみを言う▼6人部屋だったそうだ。最初一人部屋を希望したが空きがなく、大部屋での入院生活を余儀なくされたが「6人部屋で良かった。人間としての根源的な連帯感を味わうことが出来ました。いかに掛け替えのない時期だったことか、それを今も思い起こしています」と言う▼元旦の初日の出を、6人一緒に病院の窓から拝んだという。クリスチャンの彼は、その雲の形が横顔のイエスに見え、その肩口から太陽の眩光が放射したという。6人は一斉におお≠ニ感嘆の声を上げ、畏怖にも似た心境で心を震わせた▼友の元気な年賀状は私を喜ばせた。人は誰もが突如の身体の変調を迎える時が来る。紋別でも、新年を病室で迎え、あるいは海の方角に向け手を合わせた方もいらっしゃるだろう。一日も早く回復されることを祈念したい。そして全ての人が、健康に気をつけ、明るい年を過ごされるよう祈りたい。全ては健康体あればこそ≠ネのだから。