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デスク記事

2011/01/09

「いよいよ来ましたねえ。また大変な思いをしますねえ」と、近所の人から声がかかる。それは雪かきのこと。我が家の近辺の人は、いつも実に丁寧に除雪する。大雪の時でも地肌が出る程、少しの雪も残さない。だから除雪に費やす時間は多く、したがって「大変」なのは良く分かる▼随分前になるが、紋別の若い人が「グリーンの会」というグループを作り、一人暮らしのお年寄りや身体の不自由な人の家を回って除雪のボランティアーを行ったことがあった。代表は市内の自動車販売会社に勤務していた福本さんと言う方だった。彼は「感謝され、笑顔を向けられると嬉しくて、また次の家に向かうのです」と語っていた▼私の周辺では、雪が降れば自分の家の前だけでなく、自然発生的に周辺全部をみんなで除雪する習慣がついている。除雪機を持っている人は、それぞれの家に積まれた雪を吹き飛ばし、出来るだけ労力をかけないように協力する。だから車道もすぐに除雪が行き届く。そんな時は雪のお陰で楽しい近所付き合いが出来る≠ニ思ってしまう▼町内会で、それぞれの班の中には独居老人も居ることだろう。身体の不自由な方も居るのではないか。そんな場合は、みんなで力を出し合っては如何だろう。大きな雪は年に何回もない。そんな時こそ、互いに笑顔を交わし、出来る人が労力を提供したいもの▼感謝の気持ちは、形でなく「気」として伝わってくると思う。それが近所同士の明るい付き合いになり、空気がきれいになるのではないだろうか。人は見えない所でつながっているのだから。