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19日、平年より3日早く紋別は流氷初日となった。サハリンの北海域で発生した流氷が雄大な自然の営みを経て、僅か数日違いで紋別沿岸に姿を見せた。まさにハンで押したような流氷の到来と言える。自然はいつものように整然とした営みを見せている▼しかし日本列島の今年の冬は、例年とは大きく異なる。今まで雪に縁のなかった南の地域が大雪に見舞われ、日本海側の「雪国」は、例年を大きく越える豪雪に襲われ、死者も多数。市民生活はマヒし、経済活動にも支障を来している▼北海道でも、地域によっては異常な雪の量だ。札幌方面に車で向かうと、深川辺りから雪の量が急に多くなり、岩見沢あたりは道路の両側に雪の壁が立ちはだかっている。高速道路は通行止め、あるいは50キロの速度制限になり、オホーツク沿岸とは風景がまったく異なる▼オーストラリアでは大洪水に見舞われ、北東部のクイーンズランド地方は約75パーセントが水没状態。反面、北極、南極地域は現在地球を覆っている寒気から外れ、温暖化の影響が出ているという▼オホーツク北海道沿岸は、地球全体からすると極く小さな地域だ。しかし地球環境の顕著な変化、異常が伝えられる中、この地域の「四季」は確実な営みを続け異常≠ヘほとんど感じられない。この地域に生活する者として、幸運を感じざるを得ない▼ガリンコ号が21日から運行を始めた。紋別の冬観光の目玉である。今年は昨年より流氷の勢力が強いと予想されている。流氷が沿岸に寄せてくるかどうかは風次第だが、厳冬期らしく北東からの風を期待したい。