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選挙を有利に進めるためには有権者にアピールしなければならない。そのために耳当たりの良い約束をし、マニフェストなどという言葉で煙に巻く。この段階で賢明であるべきなのが有権者なのだが、そうでもないのも有権者。もっともな事を言われれば、明日の暮らしに夢を見たがるのは当然のこと▼かくて公約は空手形に終わり、手形を乱発した政府与党は不渡りにならないよう借金を重ねる。無理がたたって道理が引っ込み、財政再建への道ははるか遠くにかすむ。政権交代のための根拠のない約束が、日本全体を危うくしている▼それなのに、更に無理を通そうとする。政権維持のため、国民の関心事である小沢問題を正面に立て、肝心の国政論議を棚に上げる。小沢氏が言うように、小沢問題など国家の小事。司法にゆだね、行政は粛々と天下国家を論じ、国家の行く末と国民生活を論じるべきではないのか▼小沢氏の政治倫理審議会への出席や、国会での証人喚問が現在の日本の最大課題のように論じられているが、政治ショーを楽しんでいる時ではない。政権与党、菅政権の右往左往がやたら目につく。国民が政治の本質に目を向ければ、政権は現在行っている自分たちの愚行に気がつくかも知れない▼小沢問題を突破口にしようと、寄ってたかって、あの手この手を駆使して責め立て、そして振り回される姿は、国民に政権与党の軽さと底の浅さを見せつける。もはや政党間の争いからは何も生まれない。優秀な議員を一本釣りにし、目標を的確にしぼる大連立内閣を作るしかないのではないか。