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デスク記事

2011/03/18

 劣悪な条件での被災者の頑張り、一般市民の協力、世界各国からの救助隊の派遣、内外芸能人からの献金、支援の声など、東日本巨大地震に対する支援の輪が広がっている。しかし、ただひとつ見えないのが国会議員ら政治家の動きである▼菅総理は東京電力に乗り込み、徹夜で頑張っている社員の前で幹部を激しく叱責。また「最悪の事態になれば、東日本は潰(つぶ)れる」など不穏当な表現をした。国民に向かっては「冷静に行動を」と言いながら、自分が冷静さを失い、感情むき出し。最高責任者としての胆力が欠如している▼定年を迎える原発関係の職員が、事故が起きている福島原発の仕事に志願した。娘さんが涙ながら「父を誇りに思う」と語った。爆発などで無惨な姿になった福島原発では、現場職員や自衛隊、警察、消防署職員らが命がけの作業を続けている▼原発に近いマチへは、物資輸送のための運転手の手が足りないと言う。町長さんが「放射線は微量。通常と変わらないのに…」と食糧など物資の配送を懇願していた。特に若い国会議員よ、被災地への運搬の手が足りないなら、自らハンドルを握ることを申し出よ▼今は、怒鳴りつけたり言葉だけの励ましをする段階ではない。このような国難の時のリーダーとは、命をかけて行動する強い心を持つ人物を言う。その姿が被災者を励まし、現場の勇気を増幅させる。危険を覚悟で現場の職員の中に入るのがリーダーだ。そんな議員が一人くらい居ても良いのに、情けないことに、遠くから騒いでいるだけだ。政治家、地に落ちたり。