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デスク記事

2011/03/19

 「電気も暖房もなく、寒くて眠れません」「水も食べ物も少ない」「自主避難したくてもガソリンはないし、どこへ行けば良いかも分からない」。そう言いながら、避難所で次々に命を落としている。東日本巨大地震の被災者は、それでも規律を保ち、互いに励まし合って、一個のおにぎりに感謝する▼私たちは今、真に被災者の立場になって、彼らを救わなくてはならない。最も過酷な日々を送っている避難者のために、近隣県だけでなく国、都道府県、国民が連携して、今すぐ緊急対策を取りたい。避難者の希望をとり、空いている公営住宅、一般住宅、マンションなどに早急に移動してもらいたい▼道南を中心に道内自治体も受け入れを表明し始めた。紋別市も物資や人の支援、被災者の受け入れを表明したことを歓迎したい。距離は遠くても、空港を持つ紋別は被災者にとって移動は容易だ。温かい住居と新鮮な食事で迎えたい▼「頑張って」と言うなら、行動で示すべき。その心あれば、避難者を日本中で吸収し、快適さを提供することは困難ではない。都道府県、地方自治体は予算を注入し、個人は思いやりを提供するのだ。日本中が一つになって、この国難を乗り越えなければならない。そして世界中に人間かくあるべし≠示そう▼成すべきことは幾らでもある。どこか平和ボケしていた日本人が、本来の美しい心を覚醒(かくせい)させる機会でもある。紋別地域は、今の日本で一番安全な場所と言える。余震におびえ、寒さと不安に身を縮めている被災者にとって、ここは健康と心の静穏を提供できるのだ。