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狭い日本、なぜ国家機能の配備を東京周辺にこだわるのか。今回の東日本大震災で、日本は国作り政策を根本的に見直さなければならない。悲劇を、せめて新たな日本構築への足がかりとすべきだ。地球上どこに居ても瞬時に情報が伝わり、素早く対応できる時代、なぜ東京という1カ所に、全てを集中させる必要があるのか▼少子高齢化が国力を削ぎ落とす。今後の巨大地震が、国家機能をマヒさせる懸念がある。そんな時に、過疎地とか限界集落とか、それを産み出す政策をいつまで続けるのか。日本の国土を、その地域の特徴に合わせて幅広く使うことが、元気いっぱいの日本を作ることになる▼北海道の公示地価は20年連続して下落している。それを良いことに外国資本が買収し続けている。こんな安全で、水が豊富で、食糧自給率200パーセントの魅力的な地域を、日本は活用しようとしていない。国の機能を北海道だけでなく全国に分散させ、大学、企業も追従させる政策をとるべきだ▼決して我田引水で言うのではない。時代も、地球の環境も変わっているのだ。地殻変動で、今後さらに大規模震災が起きる可能性は否定できない。それなのに、長期的な日本作りを、すでに過去のものになった東京中心主義≠フ考えで進めるなら、日本の未来は暗い▼面積37・8万平方キロ、世界第61位。約70パーセントが山岳地帯。人口密度世界第10位。自然災害の多い国が、何故1カ所に全てを集めようとしているのか。この際だ。不幸を明るい未来に変えるためにも、国土を充分に活用し、均衡ある日本を構築しよう。