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デスク記事

2011/04/13

 国会で、与野党が手前勝手な論議をするなか、多くの国民は「国民生活、とりわけ被災者の実情とかけ離れた、コップの中の話」と感じている。怒気鋭く攻撃する野党。冷静さを装いながら、内容の薄い、核心に触れない答弁を繰り返す与党。不毛の論議が続いている▼国民の目からは、国家の一大事にリーダーシップを発揮できない国政に呆(あき)、心が離れ、遠くから冷ややかに見るしかなくなった。国民は政治に見切りをつけ、多くを期待しなくなっている。民主党は期待はずれ。自民党も日本をリードする迫力がなく、2大政党の支持は急下降▼これでは政治はダイナミックに機能しない。国民は菅内閣の一体感のなさ、無力さを肌で感じ、心の中で否定しているものの、次≠フ人物、次の政党への期待も薄い。やるせない空気が日本を覆っている▼日本にスキ≠ェ出来ていた。そして発生した歴史的な悲劇・東日本大震災。それに加えての原発事故。安全神話が崩壊したが、フタを開けてみれば安全神話≠ノは何の根拠もなく、実に脆弱な施設だった。事故後の対応も後手後手。テレビに出てくる原発の専門家≠焉u想定外」と逃げを打つ。実は政府の特別機関の地震調査推進本部では2006年に日本周辺の巨大地震・津波を予想していた▼かくて統一地方選挙の投票率は軒並み低迷。千葉県浦安市では「それどころではない」と県議選をボイコット。国民がこれ程政治に背を向けたことは今までにない。それ程政治がボケて見えるのだ。しかし政治こそ法治国家の要。この矛盾こそ悲しむべき今の日本だ。