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東日本大震災から1ヶ月が経ち、物議をかもしたプロ野球もセ・パ両リーグ同時開幕となった。どの球団も大震災被災者のことを気遣い、観衆の中にも「がんばれ、日本」「がんばれ東北」の文字が見られた▼震災後消えていた札幌のテレビ塔に照明が戻った。観光施設や飲食店などの経済損失が深刻になっているため、活気を取り戻すためと。ススキノでも大型照明に灯りが戻り、ようやく活気が戻りつつある。「自粛」は必要だが、一定期間を経た後のこと。平常に戻り、経済効果を上げなければならない▼岩手の友人から、瓦礫の故郷の写真と共に手紙が届いた。「この世の終わりかと思う程の大きな揺れ。世界一の被災国になりました。底のない、留まるところのない日本になったのかと思う程です。でも上を見るしかない。登るしかない。そして試されているような気がします」▼さらに「友人を訪ねて大船渡の高田地区に行きました。年老いた母を残すことが出来ず、友人夫婦は津波に流されました。老いた母を残せば助かった二人、小野さんならどうしますか。逃げるべきか、人としてそれは許されぬ行為なのか、どうでしょう」と問うてきた▼また夫婦と母と車で避難中、途中で3人のお年寄りが居て助けを求めてきた。車に乗るスペースがない。私が降ります≠ニ妻が降りて、津波に飲まれた。「誰か一人が死を覚悟しなければ、他が助からない。東北の人は、こうなんです」と。震災の悲しみはあまりにも深い。しかし涙を振り払って笑顔を作り、前に進むのも、残された人の責任か。