←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2011/05/24

 立法府を司る三権の長の一人である西岡参議院議長が、民主党と菅政権に反旗を翻し「民主党政権では日本は滅びる」と糾弾し、菅総理には即時退陣を求めた。当選11回のベテラン議員でもあり、民主党(議長就任で会派離脱)の要(かなめ)と言える人物から公然と批判された菅総理。その他与野党を問わず「菅おろし」が激しくなる中、国会に内閣不信任決議案が提出されそう▼東日本大震災から2ヶ月。被災地の状況は事実上何も変わっていない。被災者は不自由な日々を、先の見えない不安を抱え、限界を超えた精神的打撃を受けながら、懸命に耐えている。瓦礫と化した故郷、全てを失い、日々の生活が成り立たない被災者。身内は行方不明になり、自分たちは仕事もなく家もない。先行きは見えない▼5月12日、陸前高田市の避難所に歓声が沸いた。岩手県の各地から集まった地元の慰問団。そしてこれに合わせた芸能人。250人の避難者に寿司が手渡され、芸能人のサイン会が行われた。被災者の大歓声は、鬱積(うっせき)している不自由と不安を、ひと時でも吐き出したい心の叫びでもあった▼私はここを訪れ、広大な被災地域全てが、死者・行方不明者にとっては共同墓地、そして生存者には、全てを含め「離れられない我が故郷」だと感じた。政治が即刻成すべき事は何なのか。その真剣さが感じられない。彼等は被災者を見ないで、これからの自分の椅子(イス)を見ている。菅降ろしもその流れだ。今こそ政治≠ネのに、今は最低の政治=B被災者は、その無責任さの蔭で苦しんでいる。