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デスク記事

2011/05/25

 インドネシアの友人から私のパソコンにメールが入った。「今私はイギリスに居ます。でも、助けて下さい。外出先からホテルに帰って来ると、部屋が荒らされ全ての現金とパソコン、航空チケットも盗まれていました。ホテル代も払えず、帰ることが出来ません。このメールは図書館まで歩いて行き、送っています。国に帰り次第お返ししますから、どうか…」と言うものだった▼切羽詰まった内容だった。求めて来た金額は約15万円。為替レートが異なるためインドネシアでは大金。すぐに都合することは難しいため、私に依頼して来たと思った。私はすぐメールした。「心配するな。すぐ送るから、ホテルの口座など送金方法を知らせよ」と▼するとすぐメールが入った。「私の個人情報が何者かにハイジャックされました。その中の小野さんのアドレスを見て、送金を要求して来たのでしょう。小野さんが、私になり済ました人物に送ったメールは、私のメールにも入りました。犯人の誤算でしょう。私はイギリスには行っていません。インドネシアに居ます。だからお金を送らないで」と▼まさに国際的なオレオレ詐欺≠セ。犯人は、察知された事を悟ったのだろう。その後私への連絡はなかった。しかし、もし友人が気がつかなかったら、私は間違いなく送金していた。外国で全てをなくした友が困り、しかも緊急を要する。メールの真偽を確かめる時間はない。日本の振り込め詐欺も、最近では新たな手口が増えているという。私も騙(だま)されやすい人間なのかも知れない。