←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2008/09/05

 何かにつけて、恵まれていることに慣れてしまえば、それ以上でなければ満足感が得られない。しかし現状を維持しようと無理をすれば、後の世にツケを回すことになる。右肩下がりの今の時代、私達は欲を少し後退させ、我慢を優先させる時に来ている▼家庭生活で、無理と分かっていても今までの生活レベルを保とうと、我慢より欲が勝ってしまえば、そのツケは後からやってくる。一般的に、我が子にツケを回してでも欲を優先させる親は少ないだろう▼戦後の日本の経済成長は、前半は先人の努力、勤勉な労働にあった。中間は、その勢いに乗りながら、世界の成長志向にも助けられ、先進的な役割を果たしながら国民生活の豊かさを保った。しかし2000年以降、環境、食糧難、水不足など、人類生存の足元が揺らぐ中、間違いなく成長線から緩やかな下降線を描く時代に入った▼「今」に至るために、日本は莫大な金額の負債を負い、借金の上に成り立った豊かさを享受してきた。それなのに与野党とも「大きな政府」、つまり予算のバラマキで今の景気後退に歯止めをかけようとしている。政府という「親」が、国民という「子」のために痛み止めの薬を飲ませようとしている▼しかし、そのツケは今の子供達、孫、生まれてくる生命を苦しめることになる。自民党も民主党も、財政収支の黒字化を先延ばしにする流れが主流だ。「子」は、マユをしかめながらも、刹那の安楽に傾いてゆく。その度合いが強ければ強い程、物言えぬ次世代に苦しみを残す▼その場しのぎの痛み止めは、後の痛みをさらに増す。親なら、その痛みを子に、孫に、生まれてくる生命に残すべきではないのではないか。次の痛みをやわらげる、親としての品格を持ちたいものだ。